小高自由大学事務局[編著]歴史が生んだ豊かな実りとともに、今、この地で生きる 原発被災地 小高

小高自由大学事務局[編著]歴史が生んだ豊かな実りとともに、今、この地で生きる 原発被災地 小高

《飯島 信(日本基督教団 小高伝道所/浪江伝道所牧師)、小暮修也(元明治学院長/横浜共立学園理事長、きこえの学校 ライシャワー学園理事)》

新書判・320 頁・1,500 円+税
ISBN978-4-911054-84-0 C0216

原発被災地小高の再生は、かつての記憶の層(layer, レイヤー)の〈透明化〉(消されていくこと)に抗して、その〈不透明度〉を上げていく作業。熱い志のもとに集った人々による小高自由大学のフィナーレ、集大成!

刊行の言葉:飯島 信

第一部 シンポジウムⅠ 「小高が生み、育てた人々」
司会:飯島 信/あいさつ:小高自由大学の意義:林 勝典

発題:「鈴木安蔵」について:森島 豊
鈴木安蔵との「出会い」/小高とキリスト教/キリスト教と抵抗権/植木枝盛の発見/日本国憲法への影響/鈴木安蔵が残してくれた財産の意味

発題:「杉山元治郎」について:寺田 亮
杉山元治郎企画展の取り組み/小高教会に赴任した杉山元治郎/杉山元治郎の小高での働き/小高からの出立

発題:「平田良衛」について:すぎた和人
小高に移り住んで/小高の地形と人物/平田良衛に関係する人びと/開拓地の中で/若松丈太郎の詩/イタリア音楽研究家・天野秀延 質疑応答

第二部 シンポジウムⅡ「小高で生活して、想うこと」
司会:西山 里佳

発題:蒔田志保/只野 睦/根本李安奈/蒔田健二
出会いと小高での暮らし/小高に住む理由 ─ 人の温かさと自然の豊かさ/被災時の経験/被災後の心境の変化/話ができる機会に感謝

第三部 シンポジウムⅢ 「まちづくりの今、小高の明日を語り合おう」
司会:蒔田健二

発題:① 帰還者として:林 勝典
震災当時、行政区長として努めたこと/混迷する避難/体調の悪化と母親の死/小高への帰還

発題:② 移住者として:森山貴士
移住前 ─ ITベンチャーに就職して/なぜ小高に移住したのか/キッチンカーによるカフェを/できることを増やそう/「アオスバシ」という交流の場をつくる/キッチンの開放/地域を訪ね歩いて/「総合満足度調査」の結果から考える/ドラッグストアを作ることは可能か

発題:③ 行政関係者として:阿部貞康
震災当時の市役所の状況/市の災害対策本部設置へ/市役所で寝泊まり/各行政区への異なる対応/行政区に関わって、考えること/将来に向けて ─ 地域とつながる場を/小高のまち並みの再生を/高齢者が生活していく苦しさ/アスパラガスや小菊を栽培する難しさ/まちづくりをどう進めるか/いろいろな話を聞いて、まちづくりに生かすこと/小高の未来予想図

第四部 講演 「小高と『おれたちの伝承館』」
司会:小林友子
講演:中筋 純

小高での「出会い」/参加者の表現が詰まっている伝承館/ウクライナ・チェルノブイリでの写真撮影/文化人類学のゼミで原子力の問題を学ぶ/様々な経験が結びつき始める/「アンダーコントロール」とは?/「未来を考えろ!」という警告/透明化(消されていくこと)に抗して/「一人電通」 ─ 都市ジャック/「流転・福島・チェルノブイリ」/「もやい展」の取り組み「伝承館」の意味/安全神話が崩れた瞬間/心の中の表現を発出する人びと/アート作品から不透明度を上げる/心で見る─想像力を働かせる/想像力の限界/自然と共生するための技術/「もだえ神」「ちむぐりさ」の心で 若松丈太郎さんの名言
応答:高橋哲哉  出席者からの質疑応答

第五部 特別報告 「小高とウクライナとの交流から学ぶ」
報告者:すぎた和人

原発事故がもたらした交流の始まり/日本人の知らない「戦争」がそこにあった/晴れない表情の子どもたち/再び戦時下の文化交流シンポジウムへ/小高という地から見た現代の「戦争」

資料編:資料1:「原発被災地の住民の声を聴く ─ 小高・浪江からの問いかけ」 飯島 信/資料2:「夕焼け売り」:斎藤 貢/資料3:書評再録「小高夏期自由大学 ─ 原発事故の災禍から言葉と思想を生み出す発酵場」:渡部 純/資料4 書評再録「対話の中に未来を拓く 小高からの発信」:水口 洋/あとがき小暮 修也