金子晴勇[著]キリスト教思想史の諸時代Ⅳ エラスムスと教養世界

2021年11月25日刊行予定

金子晴勇[著]キリスト教思想史の諸時代Ⅳ エラスムスと教養世界

新書判・272 頁・1,320 円(税込)
ISBN978-4-909871-35-0 C0216

盟友ルターとの対決で知られる稀代の人文主義者。
その計り知れない知性の泉を、主著を足がかりに広汎に探る。

エラスムスの神学の基礎にある信仰について述べておきたい。エラスムスの神学の基礎には『エンキリディオン』や『痴愚神礼讃』で説かれた根本思想があって、「目に見えるものから見えないものへ」という超越の思想として述べられた。彼の神学の基礎には、わたしたちの目を地上的事物の諸価値から天上的なものに向けさせていく信仰の超越が説かれている。ここには人間的な価値を根源的に変革する信仰の働きが認められる。(本文より)

主な目次》

序文 エラスムスの世紀の到来
1 ルネサンスと教養
  [談話室]ペトラルカとアウグスティヌス
2 教養の概念――『現世の蔑視』と『反
  野蛮人論』による
  [談話室]古典の学習法
3 『格言集』の意義
  [談話室]「ヨーロッパの格言」
4 『エンキリディオン』の研究
  [談話室]エラスムスによる文化総合
5 新約聖書の序文
  [談話室]「聖書のみ」はエラスムスの主張でもあった
6 『真の神学方法論』
  [談話室]物語神学とは何か
7 『痴愚神礼讃』は語る
  [談話室]『痴愚神礼讃』の着想
8 『対話集』とはどんな作品か
  [談話室]「聖なるソクラテス、わたした
  ちのために祈ってください」
9 エラスムスの女性観
  [談話室]「がみがみ女房」を読む
10 エラスムスの聖書解釈学 ― 「もの」と「 しるし」
  [談話室]悔い改めの意味の発見者は誰か
11 近代主体性の問題 ― ルターとの対決を再考する
  [談話室]エラスムスはルターを弁護する
あとがき/書評再録

著者プロフィール

金子晴勇(かねこ・はるお) 

1932 年静岡生まれ。1962 年京都大学大学院博士課程中退。67 年立教大学助教授、75 年『ルターの人間学』で京大文学博士、76 年同書で日本学士院賞受賞。82 年岡山大学教授、1990 年静岡大学教授、1995 年聖学院大学客員教授。2010 年退官。 

主な著書:『ルターの人間学』(1975)『アウグスティヌスの人間学』(1982)、『ヨーロッパ人間学の歴史』(2008)、『エラスムスの人間学』(2011)、『アウグスティヌスの知恵』(2012)、『知恵の探求とは何か』(2013)、『キリスト教人間学』(2020)、『私たちの信仰』(2020)、『人文学の学び方』(2020)、『ヨーロッパ思想史』(2021)ほか多数

主な訳書:アウグスティヌス著作集 第9 巻(1979)、ルター『生と死の講話』(2007)、ルター『神学討論集』(2010)、エラスムス『格言選集』(2015)、エラスムス『神学著作集』(2016)、C. N. コックレン『キリスト教と古典文化』(2018)、エラスムス『対話集』(2019)、ほか多数

全巻構成

Ⅰ ヨーロッパ精神の源流 [好評既刊]
Ⅱ アウグスティヌスの思想世界 [好評既刊]
Ⅲ ヨーロッパ中世の思想家たち [好評既刊]
Ⅳ エラスムスと教養世界 [新発売]
Ⅴ ルターの思索 [第5回配本]
Ⅵ 宗教改革と近代思想 [第6回配本]
Ⅶ 現代思想との対決 [第7回配本]
別巻1 アウグスティヌスの霊性思想 [第8回配本]
別巻2 アウグスティヌス『三位一体論』の研究 [第9回配本]