吉田裕子[著]海のかなたに行き着こうとも、そこに 〝不思議〟を訪ねる旅、東北の隠れキリシタンの里へ
吉田裕子[著]海のかなたに行き着こうとも、そこに
〝不思議〟を訪ねる旅、東北の隠れキリシタンの里へ
四六判美装・264 頁・1,650 円 税込
ISBN978-4-909871-56-5 C0016
曙の翼を駆って私を旅する。
“ 曙の翼を駆って海のかなたに行き着こうとも、そこにもあなたはいまし、わたしを導き、とらえる……” ダビデの賛歌を自身の生涯の子守歌に、かつての故郷、宮城県米川村に受け継がれ、自身の中にも流れ込むことになったキリスト教信仰の源流を訪ねる旅。あふれ出るままに回想された個人史であるとともに、日本のキリスト教史の貴重な一証言でもある。
私の中に静かに、時に激しく湧き上がるものがあった。出会ってきた事々や思い、〝不思議〟を記憶の限りを尽くして心に広げ、手繰り寄せては広げ景色を浮かべ、出会った人々に思いを馳せる。心に秘めた〝不思議〟に一心になっているという年月。ふと思う、このことは心を耕して水を注ぎ入れてきたということだったのかもしれない。もしかしたら心に豊かな土壌をつくり上げるという時間だったのかもしれない。(プロローグより)
主な目次
海のかなたに行き着こうとも、そこに
―〝不思議〟を訪ねる旅、東北の隠れキリシタンの里へ
プロローグ
一 擦りガラスの向こうに ~ 十歳の記憶から ~
二 〝不思議〟への扉
三 歴史が明かしたクリスマスの不思議
四 信仰を遺産として
五 東北キリシタン殉教地
六 キリスト教伝来から殉教の時代へ、そして終息
七 曙の翼を駆って海のかなたに行き着こうとも
エピローグ
「アメリカ帰りのおばあさんの〝不思議〟」― ライオン島(カナダ)に夢架けた人々
一 診察室にベッドが来た!
二 竹ちく峯ほうざん山・華け 足そく寺じ ~ 勇壮なる馬の行列 ~
三 及川甚三郎という人物
四 カナダ視察へ
五 帰郷そして家族の渡航
六 ライオン島での夢の一歩
七 甚三郎の秘策
八 「帆船 水安丸」カナダへ向け出航
九 カナダ上陸
十 カナダに渡った人々の歩み
十一 送別〈甚三郎の帰国〉
十二 佳か 景けやま山の広ひろ淵ぶち沼
著者プロフィール
吉田裕子
1941 年生まれ。共立女子大学家政学部卒業。県立高等学校教諭 定年退職。日本基督教団 鎌ヶ谷教会員。