下村喜八[著]苦悩への畏敬 ラインホルト・シュナイダーと共に

下村喜八[著]苦悩への畏敬 ラインホルト・シュナイダーと共に

四六判・256 頁・本体1700 円+ 税 
ISBN978-4-909871-95-4 C0016

書 評

シュナイダーが生きているかぎり、

ドイツは良心をもっている。

ナチス政権下にあってドイツの良心そのものを生きた詩人であり、思想家であったシュナイダー。深い敬慕を込めて辿る。著者のキリスト教理解を根底から一変させたその生き様に倣い、キリストを仰ぎ、この時代と闘う。

主な目次

序文

第1章 歴史の中で真理を生きる ―― ナチス時代のラインホルト・シュナイダー

はじめに / 一 非合法出版 / 二 歴史の中の神の国 / 三 反キリスト / 四 裸の十字架の前で

第2章 人格の衰退とその回復

一 現代性の意識 / 二 人格の衰退 / 三 人格とは / 四 人格衰退の原因 / 五 時代の子として / 六 キリストの従う

第3章 苦悩への畏敬

はじめに / 一 ラインホルト・シュナイダーと病気 / 二 共苦としての愛 / 三 罪との闘い / 四 苦悩の価値

第4章 我祈る、ゆえに我あり

一 我祈るゆえにわれあり / 二 誠の道 / 三 霊と肉 / 四 存在と行為の全ては祈りとなる

第5章 苦悩する神の認識

一 預言者エレミヤとその預言 / 二 仲介者 / 三 共に苦しむ人 / 四 苦悩する神の認識 / 五 

神なき世界に降りるキリスト / 六 人格的関係のなかでの啓示 / 七 神と共なる生涯

第6章 神は私たちと共におられる

第7章 人生の目標 ―― わたしにとって、生きるとはキリスト

はじめに / 一 持ち物 / 二 人間形成 / 三 イエス・キリスト / 四 キリストと同じ姿に / 五 

目標に向かって / 六 持つことの危険性 / 七 キリストの愛の内にある生

第8章 信仰によってのみ義とされる

一 福音の想起 / 二 心に記される律法 / 三 神と人間の正しい関係/四 律法による義/五 

信仰による義 / 六 義とされつづけている/七 善魔 / 八 素朴な琴

第9章 キリストを愛しキリストに愛された人生

第10 章 いわれなき愛

第11章 エーミル・ブルンナーの「社会倫理」

はじめに / 一 「社会倫理」の基礎 / 二 批判的側面と建設的側面 / 三 個人倫理と社会倫理 /

四 創造の秩序 / おわりに

第12章 政治と信仰――アンゲラ・メルケルの場合

はじめに / 一 政治と信仰 / 二 政治の基盤 / 三 社会的市場経済 / 四 財政規律 / 五 脱原

発 / 六 難民受け入れ

あとがき(初出し一覧)

著者紹介 下村喜八(しもむら・きはち)

1942 年、奈良県に生まれる。1970 年、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。京都府立大学名誉教授。ドイツ文学。

著書:『生きられた言葉』(鳥影社、2014)

訳書:ラインホルト シュナイダー『カール五世の前に立つラス・カサス: 南米征服者時代の諸情景』(未来社、1993)、『フラウミュンスター説教集Ⅰ』「ブルンナー著作集」⑦(教文館、1996)、『フラウミュンスター説教集Ⅱ』「ブルンナー著作集」⑧(教文館、1996)