吉岡容子[著]少女の命・女性の命、嵐の中から新たな命

吉岡容子[著]少女の命・女性の命、嵐の中から新たな命

新書判・192 頁・本体1100 円+ 税

ISBN978-4-909871-78-7 C0216

書評

一羽の雀が撃たれ 地に落ちた時、
「あの方」も共に 地に落ちている。

ああ、それ以外、 いかなる神を
私は信じ得よう。

聖書は答えの書ではなく問いの書。 疑い、問い、詰め寄り、ぶつかっていく。誰に? そう、神・あの方に。 その時巡り始める新たな命の胎動を 信徒と共に見つめてきた一司祭の魂の説教、15 編。

主な目次

すいせんの言葉   青野太潮

最後の審判・解放のとき(降臨節または待降節第1主日)

マリア、エリサベツ至福の祝福(同第2主日)

天に栄光・地に平和(降誕日)

ヤハウエは救い(主イエス命名の日)

神から賜る家族の痛み(降誕後第1主日)

神の摂理、それは退き(同第2主日)

見えざるホスト、その宴(顕現後第1主日)

イエスの侵入・私が私であるために(顕現後第3主日)

神・あの方は足元から(大斎節または四旬節第3主日)

兄・かつ・弟、それが私(同第4主日)

わたしの救い・わたしの罪(枝の主日)

ガリラヤに、ガリラヤに(復活日)

少女の命・女性の命、嵐の中から新たな命(聖霊降臨後の主日)

愛と裁き・それはディレンマ?(諸聖徒日)

謎の問いかけ・イエスの問いかけ(降臨節または待降節前主日)

あとがき

すいせん文:西南学院大学名誉教授、聖書学者 ・青野太潮 氏

イエスの「自由」の福音が、思いがけない新鮮な仕方で、しかし聖書学的な知見にしっかりと裏打ちされた形で、生き生きと描かれており、何とも言えない喜びと開放感を味わうことができます。もちろんフェミニスト的な視点も、大切に保持されています。全体にスケールの大きさを感じさせますが、吉岡先生の豊富な読書量も与って力があったに違いないと思っています。

この卓越した説教集が多くの読者を獲得して、一人でも多くの人が、イエスの福音の真髄に迫ることができますように、心から希望し、期待しております。

著者略歴

1945 年生。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。琉球大学講師、福岡女学院中学高校教諭を経て聖公会神学院を卒業。日本聖公会九州教区のいくつかの教会牧師を経て退職後、九州教区協力司祭。共訳書:「フェミニスト聖書註解」(日本キリスト教団出版局)