暴力(ヴァイオレンス)と人間 トゥルニエとグリューンを読む!

20180619_02暴力(ヴァイオレンス)と人間 トゥルニエとグリューンを読む!

著者: 工藤信夫(医学博士・平安女学院大学名誉教授)
四六判・328頁
1,600円+税 
ISBN978-4-907486-68-6 C0016
発売日:2018年6月20日

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著者略歴: 1945 年、秋田県生。弘前大学、大阪大学において精神医学を学ぶ。淀川キリスト教病院精神科医長、ルーテル学院大学福祉学科教授を経て、現在、平安女学院大学名誉教授。医学博士。 著書:『人を知り人を生かす ― クリスチャンの使命』(1981)、『こころの風景 ― 変わらないもの・見えないものを求めて』、『援助者とカウンセリング』(1992)、『こころの光を求めて』(1994)、『人生の秋を生きる』(2008)、『真実の福音を求めて ― 信仰による人間疎外その後』(以上いのちのことば社、2015)、『ほんとうの生きかたを求めて』(しののめ出版、2005)、『トゥ ルニエを読む』(あめんどう、2004)、他多数。訳書:H・ナウエン『待ち望むということ』(1998)、『わが家への道 ― 実を結ぶ歩みのために』(以上あめんどう、2005)他

〈力への暴走〉が支配している現代に、
〈キリスト者〉として生きるには。

昨年私はある機会に一冊の注目すべき本に出合った。『従順という心の病い』(ヨベル、2016年)がそれである。この本は再び全体主義的様相を呈する現代社会の病理を扱ったものであるが、私はその中に長年 私を苦しめて来た〝宗教者の暴力〟を解明するてがかりを得、励ましとなった。私はこの一冊の本によって、改めてトゥルニエを紹介する必然性を確信したのである。(本書「まえがき」より)

今を予見したトゥルニエの思想を
グリューンを通してさらに深く掘り下げて提示した渾身の一冊!

1章 『暴力と人間―強さを求める人間の心理』について

A 本書の重要性 ―〈〝暴力〟という普遍的テーマへの関心〉 自分自身の歩みから/H・ナウエンの視点/意外な展開/他
B 『暴力と人間』から学ぶこと 現代人の病〈力への暴走/私たちの現実
C 暴力の諸相 人間の尊厳を侵す/良心の麻痺/対話の阻害/他
D 一つの対処法 影の部分に対する対処/神の貧しい人々、他
〈付記〉「弱さの神学」の復興 
E 『暴力と人間』を読んでのレポートとそのコメント

2章 『強い人弱い人 ― 人間の強さと弱さ』

A 本書の重要性 トゥルニエ自身の経験/キリスト者の課題/個人的関心/新しい風
B『強い人と弱い人』という本から学ぶこと 一つの経験/力の危険/二つの反応―反応の違い
C 本当の強さ:心理的な力と信仰の力 弱い反応とキリスト教道徳/本当の強さとキリスト者の生き方/他

3章 『従順という心の病い』という本について

A 本書の重要性 〈暴力を必要としている社会〉 〈権力者の無力体験〉/〈弱者が強者を求めるという心理的構造〉/他
B 宗教者の暴力とレポート
〈付記:今日の暴力の多様性〉

4章 『女性であること ― パーソナルな世界の豊かさ』

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20161024従順という心の病い―私たちはすでに従順になっている

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201311私は戦争のない世界を望む

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