武田信嗣[著]さけびはとどく

武庫川キリスト教会牧師 武田信嗣[著]
さけびはとどく

四六判・160 頁・本体1,200 円+ 税 
ISBN978-4-911054-18-5 C0016

独りは生きられない。

二人では息が詰まる。

三人ではこじれる。

「二、三人の神学」ではどうだろう。

日本にはPerson(パーソン)にあたる言葉がない。日本のキリスト教も人格(パーソン)というものに正面から向き合ってこなかった―。

キリスト教が人口1%の壁をどうしても越えられない傷みを、牧師として叫びながら、その叫びが希望へと変わる分岐点をマルティン・ブーバーを道しるべに丹念に探った書。

ですから、二者の関係を諦めた人たちが残されているのは、「多者の関係」に希望を見出すしかありません。しかし私はもう一つ、「三者の関係」にも注目してほしいのです。それが私の「二、三人の神学」です。「三者の関係」までで止める? しかし普通は「二者の関係」でうまくいかないなら三者の関係でもうまくいかないものです。確かユダヤ人哲学者のレヴィナスは、その「もう一人」に暴力の起源があるようなことを述べているそうです。何となくわかるような気がします。ただ、それであっても「二者の関係」の救いは「もう一人」との関係から来るのではないかと思うのです。(本文より)

主な目次

はじめに

私の旅

私なりのブーバー理解

認知症

なぜ日本でキリスト教が増えないか