契約があらわすキリスト ―聖書契約論入門  O・パーマー・ロバートソン[著] 清水武夫[監修]/髙尾直知[訳]

20181109O・パーマー・ロバートソン著 
清水武夫監修/髙尾直知訳
契約があらわすキリスト 
―聖書契約論入門
 
四六判・456頁・本体2,700円+税
ISBN978-4-907486-75-4  C0016
 
 
 
 

 
 

本書は、O. Palmer Robertson, The Christ of the Covenants, 1980の全訳です。
翻訳監修の清水武夫師が執筆した本書の書評(『福音主義神学』1986年)をまとめるかたちで、本書の持つ神学的意義を簡単に紹介しておきましょう。「契約」の概念が神学のなかで取りあげられるようになったのは、宗教改革以来とされています。聖書神学においては、1930年代W. アイヒロットが契約の中心的意義に着目しました。さらに1950年代にはいって、G. メンデンホールが古代近東の宗主権条約と、聖書の契約との関係を指摘、以後両者の関係についてさまざまの研究がおこなわれます。福音主義的聖書学においても、M. クラインを筆頭に研究が進められ、文化的歴史的な状況のなかで聖書の権威の性格があきらかになってきました。本書はそのような研究史を踏まえながら、歴史的な啓示に沿って神の契約を概説するものです。
 
目次紹介
 
はじめに
第一部 神の契約とは 
  • 第一章 神の契約の定義
  • 第二章 神の契約の範囲
  • 第三章 神の契約の一体性
  • 第四章 神の契約の多様性
第二部 創造の契約とは 
  • 第五章 創造の契約
第三部 あがないの契約とは 
  • 第六章 アダム ─ はじまりの契約
  • 第七章 ノア ─ 保持の契約
  • 第八章 アブラハム ─ 約束の契約
  • 第九章 アブラハム契約の証印
  • 第十章 モーセ ─ 律法の契約
  • 第十一章 ダビデ ─ 王国の契約
  • 第十二章 キリスト ─ 完成の契約
  • 第十三章 補説─みことばの構造を支えるのは契約かディスペンセーションか
訳者あとがき
聖句インデックス
引用文献
 
著者紹介 
O・パーマー・ロバートソン(O. Palmer Robertson)  
1937合衆国ミシシッピ州ジャクソン生まれ。ヴァージニア州リッチモンドのユニオン神学校博士課程を修了し、リフォームド神学校、ウェストミンスター神学校、カヴェナント神学校などの教授を歴任しました。現在アフリカン・バイブル大学の副総長(実質的な最高責任者)として、ウガンダに在住。本書のほかに、The Christ of Wisdom, 2017やThe Flow of the Psalsm, 2015など、多数の著書があります。  
 
監修者紹介 清水武夫(しみずたけお)
1944年長野県生まれ。東京クリスチャン・カレッジ卒業、ウェストミンスター神学校(合衆国ペンシルヴァニア州)修了(Th. M.)。現在日本長老教会玉川上水キリスト教会牧師。著書に『新聖書講解シリーズ10 ヨブ記』(1989)、『私たちに現された神のみこころ』(2008)がある。  
 
訳者紹介 髙尾直知(たかおなおちか) 1962年兵庫県生まれ。東京外国語大学(B. A.)卒業後、東京大学(M. A.)、ニューヨーク州立大学バッファロー校(Ph. D.)修了。現在中央大学文学部教授。共編著『ホーソーンの文学的遺産』(2016)、訳書『ナサニエル・ホーソーン事典』(2006)など。