マイスター・エックハルト[著] 阿部善彦[訳著]教導講話 ― 若き修道者のための言葉 ―
2025年12月20日刊行予定

マイスター・エックハルト[著] 阿部善彦[訳著]教導講話 ― 若き修道者のための言葉 ―
付録「ドイツ語説教一〇一番」(エアフルト時代に修道院長して行った講話)
新書判上製・280 頁・1,800 円+ 税
ISBN978-4-911054-68-0 C0216
中世の神学者であり、霊性の巨匠が語るエックハルト版
「君たちはどう生きるか」
これは(教導講話)、エアフルトの修道院の院長であり、テューリンゲン地区における管区長代理である、説教者兄弟会(ドミニコ会)の兄弟エックハルトが、若いドミニコ会士たちと行った諸々の講話である。集会(コラチオ)で互いに席についたときに、若いドミニコ会士たちは、それらの講話において多くの事柄についてエックハルトに質問したのである。(本文扉より)
そういう人がすべきことは、一つの善い生き方を受けとり、そこでいつまでもその生き方のもとにとどまりつづけ、その生き方のうちにありとあらゆる善い生き方を持ち込むことである。そして、自分の生き方を神からいただいたものとして畏れ敬い、今日ある一つのことに手をつけたら、明日はそれとは別のことに手をつけるということをせずに、自分が手をつけたことにはいつでもなにかおろそかになってしまっているところがあるなどと心を悩ませることが一切ないようにあらねばならないのである。(本文より)
著者プロフィール
マイスター・エックハルトMeister Eckhart(c. 1260-1328)
中世後期ドイツを中心に活躍したドミニコ会(説教者兄弟会)の神学者・説教者。ドミニコ会の先達である、トマス・アクィナス、アルベルトゥス・マグヌスと同じく、パリ大学神学教授を務めた代表的神学者であったことから「マイスター」の尊称で呼ばれる。ドミニコ会で修道院長、管区長、総長代理などの要職を担いつつ、神学研究・教育に尽力した。その成果は『三部作』(未完)の計画のもとにラテン語で書かれた、聖書註解、討論集、説教集としてつたわっている。これに加えて、説教者としても活躍し、民衆語である中世のドイツ語による、100 を超える説教がつたわっているほか、『教導講話』『離脱について』『神の慰めの書』などのドイツ語論述もある。これらの説教・論述の写本伝承・テキスト伝播の歴史は、民衆語世界におけるエックハルトの近世にまで続く絶大な影響を裏づけている。
訳者略歴
阿部善彦(あべ・よしひこ)
1980 年生。群馬県出身。埼玉県立熊谷高等学校卒業後、上智大学文学部哲学科に進学。専門は哲学・キリスト教思想・人間学。最終学歴:上智大学大学院哲学研究科博士後期課程修了(博士・哲学)。日本学術振興会特別研究員PD( 早稲田大学) などを経て、現在、立教大学文学部キリスト教学科教授。
近著:『テオーシス』(共編著)教友社、2024 年(初版2016 年)。『西方キリスト教の女性』(共著)教友社、2023 年。『ミシェル・アンリ読本』(共著)法政大学出版局、2022 年。


