死生学年報 2025 Annual of the Institute for Life and Death Studies, Toyo Eiwa University Vol. XXI, 2025

死生学年報 2025 Annual of the Institute for Life and Death Studies, Toyo Eiwa University Vol. XXI, 2025

A5 判・232 頁・本体2,500 円+税

ISBN 978-4-911054-47-5 C0016

東洋英和女学院大学 死生学研究所長 奥山 倫明

昨年、本誌では〈看取りの文化を構想する〉を一つの特集として掲げました。ご寄稿いただいた諸論文を通じて看取りについて学ぶなか、私は2024 年に公開されたドキュメンタリー映画、村上浩康監督作品『あなたのおみとり』を視聴する機会を得ました。訪れた映画館、ポレポレ東中野では、上映後、村上監督と砂田麻美さんとの対談の設けられた日があり、その日に出かけることができたことは幸いでした。本号では砂田監督に『あなたのおみとり』をご覧になったうえでのエッセイをご寄稿いただき、併せて、村上監督にそれを受けての応答をご執筆いただきました。本号ではまた、昨年に引き続き、〈看取りの文化を構想する(続)〉の特集に加え、当研究所における連続公開講座で取り上げてきた〈葬送と墓制の現在〉をもう一つの特集とし、合わせて5 篇のご寄稿をいただきました。そのほかの投稿論文、研究ノート、文献紹介と併せ、死生学研究の諸領域にふれていただけたらと願っております。(巻頭言より)

『死生学年報2025』刊行にあたって 奥山倫明
〈特別寄稿〉
おみとりのなかに生きる子供たち 砂田麻美 
わたしのおみとり 村上浩康
〈特集1 看取りの文化を構想する(続)〉
「生ききる生」と「継承される生」 浮ヶ谷幸代
「島で最期を迎えたい」に寄り添う
― 長崎県五島列島のひとつの島を事例として ―  山田千香子
〈特集2 葬送と墓制の現在〉
死別後の悲嘆プロセスにおいて収骨が果たす役割 坂口幸弘/赤田ちづる
日本近現代墓制史に関する一考察 ― 霊園とカロート式家墓の意味をめぐって― 問芝志保
墓地開発/再開発と寺院経営 ― 民間企業と仏教寺院の提携とその帰結 ― 辻井敦大
〈投稿論文〉
ファッションが描く「死」― アレキサンダー・マックイーンのコレクション分析 ― 岸根紗葵

〈研究ノート〉
岸本英夫の死生観と宗教観 宮嶋俊一臨死体験研究財団(NDERF)とその重要性 大門由依
〈死生学文献紹介〉
瀧口俊子・大村哲夫・松田真理子
『心理臨床に活かすスピリチュアルケア』 秋本倫子
森田達也・田代志門編著『鎮静と安楽死のグレーゾーンを問う
― 医学・看護学・生命倫理学・法学の視点』 瀬川博子
トニー・ウォルター『近代世界における死』(堀江宗正訳) 奥山倫明

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