山口里子[著]マルコ福音書をジックリと読む そして拓かれる未来の道へ

山口里子[著]マルコ福音書をジックリと読む  そして拓かれる未来の道へ

A5判美装・328頁・本体2500円+税 
ISBN978-4-909871-83-1 C0016

書 評

福音書のマルコの思いと、
その基にある イエス自身の思い・行動を、 学び考える。

聖書を原語で読み、時代背景を学ぶ。古代エリート男性の父権制的な価値観が、福音書著者たちも浸み込みつつ抵抗もして編集した。現代の私たちはそれをどう読むか——。この難問に、公開講座の仲間たちとともに学び、様々な人生経験と豊かな思いを分かち合う——。マルコ福音書読解の希有な情報共有!

主な目次

はじめに

 *私の留学体験

 *現代の聖書学的・倫理学的吟味

マルコ福音書

 *「歴史のイエス」研究・「社会科学的聖書注解」などについて

プロローグ( 1:1-13)

 マルコ福音書の始まりの言葉

 「バプテスマのヨハネ」

 イエスの受洗

 荒野での誘惑、他

I. ガリラヤ伝道( 1:14-8:26)

 ガリラヤ伝道の開始

 漁師たちの招き

 霊につかれた人の癒し

 シモンの義母と、多くの人の癒し

 伝道ツアー

 「ライ病人」の清め

 「体の麻痺した人」の癒し

 徴税人たちとの共食

 安息日の穂摘み

 安息日に片手の萎えた人を癒す

 「海辺」の群衆

 「12 人」の選び

 ベルゼブル論争

 流血の女性と会堂長の娘①

 流血の女性と会堂長の娘②

 故郷での拒絶

「12 人」の派遣

 バプテスマのヨハネの処刑死

 ゲネサレトで多くの病人を癒す、他

II. エルサレムへの道( 8:27-10:52)

 ペトロのキリスト告白

 最初の受難予告と、再臨の暗示

 イエスの変貌

 霊につかれた子の癒し

 最初の者・対立しない者・躓かせること

 結婚と離婚

 子どもの祝福

 失うもの・与えられるもの

 第3の受難予告

 盲人バルティマイオスの癒し、他

III. エルサレムで( 11:1-13:37)

 エルサレム入場

 実の成らないイチジク

 皇帝税と神殿税

 復活問答

 最も重要な戒め

 ダビデの息子についての問答書記たちへの非難

 寡婦の献金、他

IV. 受難物語( 14:1-15:47)

 イエスを殺す計画と、女性の香油注ぎ

 「過越の食事」

 ゲツセマネの祈りと逮捕

 サンヘドリンの裁き・ペトロの否認・ピラトの裁き

 イエスの処刑死

 見つめていた女性たち、他

V. 復活( 16:1-8)

 イエスの復活

著者紹介 

山口里子(やまぐち・さとこ) 

1945 年生まれ。日本聖書神学校に学ぶ。1988 年よりハーバード大学神学部とエピスコパル神学校(EDS)で学び、1996 年にEDS より博士号取得。ストーニーポイント・センター常駐神学教師、ニューヨーク神学校・ニューアーク神学校講師を経て帰国。2000年〜2019 年、日本フェミニスト神学・宣教センター共同ディレクター。恵泉女学園大学、聖心女子大学、聖公会神学院、日本聖書神学校、農村伝道神学校などで講師を歴任。 

著書

『マルタとマリア イエスの世界の女性たち』新教出版社、2004.『虹は私たちの間に 性と生の正義に向けて』新教出版社、2008.『新しい聖書の学び』新教出版社、2009.『いのちの糧の分かち合い いま、教会の原点から学ぶ』新教出版社、2013.『イエスの譬え話 1 ガリラヤ民衆が聞いたメッセージを探る』新教出版社、2014.『イエスの譬え話 2 いのちをかけて語りかけたメッセージは?』新教出版社、2017.『食べて味わう聖書の話』オリエンス研究所、2018. 共著、訳書:エリザベス・シュスラー・フィオレンツァ『彼女を記念して』日本基督教団出版局、1990. 多数