大頭眞一[著]:焚き火を囲んで聴く神の物語・対話篇 大頭眞一と焚き火を囲む仲間たち
大頭眞一著
四六判・368頁・2,500円+税
ISBN978-4-907486-46-4
書 評
月刊誌『舟の右側』に連載(2016.1〜12月)され、反響を起こした《焚き火を囲んで聴く神の物語》を対話篇として「12の焚き火に12人の仲間たちが応答を書き下ろし!」
やあ、みんな元気かい! 焚き火元年とも言うべき、2016年が終わり、当たり前のことだけれど2017年になった。 ぼくは元気で、今も明野キリスト教会の牧師をしている。あまり変わらない毎日だが、嬉しいこともあった。「焚き火」が、藤掛明先輩の注目語大賞に選ばれたのだ。これは「リアル」との共同受賞だ。コメントに「リアルに現実をみつめ……同時に、焚き火を囲むかのように語り合い、多様さを許容し、新しい物語を作り出すことも求められています」とあって、ホバーボードの写真が載っていた。ほんとうにその通りだと、思った。……《中略》
…… みんなが「焚き火を囲んで聴く神の物語」を、けっこう喜んでくれたのは、なぜだろう、と不思議なようにも思う。ぼくは自分だったら読みたいと思うことを書いただけだ。ときどき自分が、『心は孤独な狩人』にでてくるシンガーさんのように思えることがある。買いかぶられているのでは、と。それでも、ひとつだけ言えることがある。それはぼくとみなさんとは、まぎれもなく同時代人で同じ空気を吸っているということだ。このことは、ぼくたちがこの世界に対していっしょに責任を持つようにと、神さまから言われていることを意味している。世界には壁が増えつつあるように見える。天候は下り坂で、だんだん闇が深くなるのかもしれない。だからこそ闇に立ち向かうためには仲間が必要なのだ。のんきなように見える焚き火こそ、ぼくたちにほんとうに必要なものなのだと思う。(著者あとがきより)