川中 仁[編]信仰と行為 上智大学 聖書講座[キリスト教文化研究所]

川中 仁[編]信仰と行為 上智大学 聖書講座[キリスト教文化研究所]

四六判・176 頁・本体2,000 円+ 税
ISBN 978-4-911054-67-3 C0016

聖書的信仰が持つ二つの基本的な構成要素である〈神の働き〉と〈人間の応答〉。端的に〈信仰〉と〈行為〉とも言い換えられる両者には、いずれもが真であるがこの緊張関係があり、長く議論の的とされてきた。この信仰と行為のあいだに横たわる課題に、使徒パウロのアブラハム理解(山口希生)、宗教改革者マルティン・ルターにおける善き業(江口再起)、イグナチオ・デ・ロヨラの巡礼者としての変容と成長(川中 仁)という3 つのアプローチからなる発題によって多角的な解析を試みた2024 年11 月の上智大学聖書講座、その全貌を収録。

まえがき                           川中 仁
アブラハムの信仰をめぐって― パウロはアブラハム物語をどう読んだか   山口希生
ルターにおける恵み・信仰・行為               江口再起
「巡礼者」イグナチオ― イグナチオ・デ・ロヨラの『自叙伝』にみられる信仰行為   川中 仁

山口希生(やまぐち・のりお)  1970 年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、日米金融機関に通算15年勤務、その間に青山学院大学院より修士号(ファイナンス)取得。その後渡英し、セントアンドリュース大学より神学学士及び博士号(新約聖書学)取得。現在、東京神学大学特任准教授。日本同盟基督教団中原キリスト教会牧師。青山学院大学、聖契神学校、お茶の水聖書学院講師。  著書:『ユダヤ人も異邦人もなく ― パウロ研究の新潮流』(新教出版社、2023 年)、『「神の王国」を求めて ― 近代以降の研究史』(ヨベル、2020年)など、訳書にボウカム『イエス入門』(共訳、新教出版社、2013 年)、N. T. ライト『新約聖書と神の民』上下巻(新教出版社、2015,18 年)など。

江口再起(えぐち・さいき)  1947 年生まれ。獨協大学、日本ルーテル神学大学(現・ルーテル学院大学)・神学校卒業、ドイツ・エルランゲン大学留学。日本福音ルーテル教会(博多、藤が丘)牧師、東京女子大学教授、ルーテル学院大学教授、日本ルター学会理事長を務める。現在、ルター研究所所長。  著書:『神の仮面 ― ルターと現代世界』(2009 年)、『ルターの脱構築 ― 宗教改革500 年とポスト近』(以上リトン、2018 年)、『ルター入門 ― 生涯と思想』(ヨベル、2025 年)等がある。

川中 仁(かわなか・ひとし)  1962 年生まれ。1996 年上智大学神学研究科博士前期課程修了。2003 年ザンクトゲオルゲン哲学神学大学博士課程修了、神学博士(Dr. theol.)。上智大学神学部教授。キリスト教文化研究所所長。著書:„Comunicaci溶“05、イグナチオ・デ・ロヨラ『霊操』訳・解説、(教文館、2023 年)、『シノダリティ ― キリスト教における《ともに歩む道》』[共著](キリスト新聞社、2025 年)ほか。